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ある日、こんな事故があった。
スナックを経営するママが、ある日いつものように店を開けてみると、トイレから水があふれ出し、店の床が水浸しになっていた。原因はトイレの排水ポンプの故障らしい。大急ぎで業者に連絡し水を止める応急処置をしたが、その後ジュウタンのクリーニングやら店の掃除、においの排気などで5日間の休業を余儀なくされた。商売あがったりである。店は賃貸なので、当然店のビルのオーナーに損害賠償を求めたが、オーナーは知らぬ存ぜぬ。まして、こんな場合の保険すら手当してなかったのである。それどころか自分には全く関係ないとふんぞり返る始末。世の中にはこんなふとどきものが結構いるものだ。幸いママは火災保険と休業保険に入っていたので自らの保険で損害に相当する金額を受け取ることができ、一安心。しかし腹の虫は収まらない。何とかオーナーを懲らしめたい。本来なら加害者であるオーナーが全額損害賠償すべきだから、当然である。私はママに伝えた。「保険金を払った保険会社がママに代わってオーナーに損害賠償できる。」と。ママはそれをオーナーに話した。オーナーはあわてふためいた。(中略).....自助努力の賜である。一件落着。
あなたが被害者の場合には、通常民法709条(不法行為責任)に基づいて加害者から損害賠償を受けられるが、全て相手が悪いとは限らず、全額賠償を受けられないことの方が多い。相手が先述のようなふとどき者だったり、支払い能力がなければ最悪取りっぱぐれだって考えられる。火事の場合ともなると、「失火の責任に関する法律」で火事の場合火元に責任を問わないと定められている。つまり隣から出火して自分の家が燃えてしまっても、隣の人によっぽど重い責任がなければ、誰も弁償してくれないのだ。
自分がどんなに注意していても、事故は起こる。ましてや、もらい事故は避けられない。「自分だけは大丈夫」は禁物である。どんな場合にもあわてぬように、日頃の自助努力が不可欠だ。もちろん、自分が加害者になってしまった場合のことも考えておこう。少なくとも、誠意ある加害者でいられるために、保険も有効な手段の一つであることを忘れてはならない。
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