|
バブル崩壊後の不良債権処理を目的とした整理回収機構の中坊公平社長が1998年に退任した。彼はその社長を引き受ける際の条件に、「これ以上の国民負担を出さないこと。」ということを大きくうたって、金融機関の自己責任を主張していた。アッパレ!
かたや、生命保険業界ではどんな処理が行われているのだろうか。そこで、東邦生命が1998年に破綻に至った例で検証してみよう。
東邦生命は、1998年4月に世界的ノンバンクのGEキャピタルの子会社GEキャピタル・サービス社と提携し、GEキャピタル・エジソン生命保険株式会社(以下、エジソン生命)を設立し、営業権を譲渡した。これにより東邦生命自体は、既契約の維持・管理と資産運用に業務を特化し、併せてエジソン生命と財務再保険・共同再保険契約を締結、資産の健全化と内部留保の充実を図った。ところが、1999年6月4日、金融監督庁は東邦生命に対し、資産保全と共に一部業務の停止を命ずる方針を伝えた。これによって、東邦生命は生き残りの夢破れ破綻処理へ移行することとなった。東邦生命も、'97年4月に業務停止命令を受けた日産生命と同様の手順で解決を図ろうしたが、エジソン生命が受け皿会社となったのである。
果たしてこれでよかったのだろうか。日産生命の場合は、ほぼ清算会社に近いあおば生命となり事実上会社は消滅したといってよいが、エジソン生命が東邦生命の受け皿会社となったこのケースでは、'98年12月に設立された生命保険契約者保護機構に不良債権を処理してもらい、元東邦生命の契約者の負担で保有していた保険契約をすべて旨味のある状態に変えてもらって、社名と経営陣を入れ替えた外資保険会社が残ったことになる。しかも、契約者保護機構というのは会員生保会社47社よりの拠出金で成り立っており、元を正せば生命保険契約者全員で支えているのである。
生命保険会社の破綻処理においては、税金が投入される訳ではないので見逃されがちだが、どっこい、あなたが支払っている保険料の一部が使われるのだ。今後も心して、経過を見守らなくてはならない。
中坊さん、ついでに生保業界も診てもらえないだろうか。
|