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火のない所に煙は立たぬ

火の気の全くないところに煙が立たないように、事実のまったくないところには噂は立たない。噂が立つ以上は何かしらの事実があるものだということ。
 槌田満文監修「ことわざ辞典」成美堂出版より

噂を分析せよ

 

生命保険会社の経営環境は相変わらず厳しい。解約の増加に加え、2001年3月期の決算では、主要生保10社で「逆ざやが1兆3000億円、契約高も4年連続減、シルベンシーマージンに関しては10社中9社が低下(いずれも2001/6/5付日本経済新聞朝刊より)」と暗い話題ばかりである。「破綻を回避するために、破綻前でも予定利率を引下げられるように法改正を求める」という話も現実味を帯びてきている。
 生命保険会社が破綻すれば、残念ながら契約者である皆さんにそのしわ寄せが来る。従って、健全な保険会社を自ら選択することが、今後ますます重要だ。そこで、どうしたら健全な保険会社を選ぶことができるかについて、よく取り上げられる2つの判断材料について考えてみよう。
 まず、格付け会社による格付(下記参照)である。格付け会社にとっては、「格付け」そのものが商品である。もし、自分たちのはじいた格付けが不正確だったら、商売上がったりである。逆に、彼らが「あぶない」と判断した会社は、言葉は悪いが予想通りつぶれてもらった方が彼らの商品価値があがる。格付けされる保険会社側にも言い分があるだろうが、格付け会社が認知されている以上は、格付けは保険会社選択の判断材料として極めて重要なファクターとなり得る。
 次は、ソルベンシーマージンである。これは、簡単に言えば保険会社が現在持っているお金(自己資金や引当金など)と、将来出ていく可能性のあるお金(死亡・入院などの保険金)の比率で、金融監督庁の基準では最低でも200%以上とされている。もし、家庭で言うところの家計の余裕度に置き換えるなら、200%では「何かあっても、そこそこは大丈夫だろう」であり、500%以上ならば「何かあっても、まず大丈夫だろう」と誰もが納得するところではないか。
 まとめると、格付けがA(できればAA)以上、かつソルベンシーマージンが500%以上の会社であれば、当面は安心してよいことになる。但し、新しい保険会社では保険金支払いリスクが低いため、ソルベンシーマージン比率が高くなることが多く、あまりあてにならない場合もあるので注意が必要だ。
 最後に、あえて言おう。前述の判断材料に加え「噂」を分析することだ。但し、我々に尋ねられても、決して噂だけでは物は言えない。ある意味では無責任に聞こえるかもしれないが、これが我々の職責というものであり、あくまでも自己責任においての分析が必須である。
 1999年6月4日、日産生命に続いて東邦生命が経営破綻した。「やっぱり」と思った人も少なくないだろう。「東邦生命があぶない」という噂は、もう数年以上前から業界内外でまことしやかに流れていたのだから.....

(格付け会社のホームページ)
 Standard&Poors
 Moody's
 ・(株)日本格付研究所
 ・(株)日本格付投資情報センター

 

関連項目


○あちらを立てればこちらが立たぬ
○対岸の火事
○身から出た錆


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