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保険の教訓

あちらを立てればこちらが立たぬ

利害や意見を異にする双方のどちらにもそむきたくない立場の悩みをいったもの。双方を同時に満足させることは難しいとのたとえ。
 槌田満文監修「ことわざ辞典」成美堂出版より

噂の源流

 

日産生命に始まった保険会社の破綻だが、そもそも資金繰りに窮したわけでもないのに、営業停止とはどうなっているのだろう。将来の支払い予定がこなしきれないことが計算上予想されるために、早期是正処置ということで、金融監督庁の判断で処分されたということだ。何がまずかったかというと、長期にわたる保険契約に高利回りを約束してしまったため、将来支払いきれないと見なされたわけだ。
 保険会社の中でも生命保険の契約期間は、20年30年と長期にわたる契約が多い。保険会社はその間顧客から預かった保険料を運用して、保険金や年金として契約者に戻す。しかも、契約時点でどのくらいの運用ができるかを予測し、それを元にして保険料を算出している。これが、予定利率だ。好景気だった時代の契約では5%以上になっていたが、現在の契約では1%前後まで落ちている。この差が、保険料にしてみると1.5倍以上にもなる保険種目もあるのだ。現在の超低金利時代に、過去の高い予定利率での運用を要求されるのだから、株の含み益等運用以外の要素で持ちこたえられない保険会社が、どうしようもなくなるのは当然だ。そこで、各保険会社では時期を見計らって新規契約の予定利率の変更をする。これが、保険料の値上げや値下げにつながる。または、社内規制をかけて、運用が苦しくなると予想される種目の販売や払い込み方法を停止したりする。ところが、保険料の値上げや売れ筋の商品(他社より利回りが良ければ当然売れる)の販売停止は、契約者から見れば商品魅力の低下となり、売上の減少を招きかねない。
 自社の健全性を取るか、売上アップを取るか、あちらを立てればこちらが立たぬ、ここが経営判断のしどころとなる。この判断を誤ってしまった会社が、数年前からよからぬ噂になっているわけだ。
 さて、では今どうやって危ない会社を見分けるかは、こちらの頁で。

 

関連項目


○対岸の火事
○火のない所に煙は立たぬ
○身から出た錆


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